冨樫とエミネムを応援する日記

ほぼHUNTERXHUNTERの感想

 ノイタミナの講演等

先日の早稲田祭で、麻枝准岸誠二のABトークに参加した後、下のフロア(笑)でやっていたノイタミナの講演を聞いてきた。

ぶっちゃけ、きわどいこと言いたいので関係者はご遠慮願いたい。
http://twitter.com/koji8782/status/593089374715904

というツイートを見てたのでwktkしていたのだが、予想とはけっこう違う内容だった。どんな感じなのかは以下で↓
アニメがいま大ピンチ 〜ノイタミナ、その新しい挑戦〜@早稲田祭 レポート
講演会「アニメがいま大ピンチ 〜ノイタミナ、その新しい挑戦〜」 レポ&感想

ノイタミナ@早稲田祭】スポンサーが付かない、DVDが売れない市場環境ではあるが、「クエイサー」「俺妹」路線では未来がない。ニコ動配信にしてもTVとセットであって、完全に囲い込めて20万人に課金できる状況にないとリクープできないのが現実…っ 圧倒的現実…っ

 ボクが期待してたのは講演タイトルからして↑のような事、すなわちネットによる環境の劇的変化についての現場の意見だった。アニメが今大ピンチ≒金がまわってない≒ネットを上手く使えてないせい→今後こういう対策をとっていく等々。でも、それはほとんどでてこなかったので、「フラクタルへの意気込み(ジャブ)、やられやくについてどう思うか(本命)、角川歴彦氏の提言を踏まえた上でsaymoveについて(大本命)」を質問した。けど、ジャブについてはごく真っ当、本命は受け流され、大本命は(意図が伝わらなかったのか)完全スルーということで、まぁそんなもんか、と思った。

ローソンがHMV買収 18億円で
 旧音楽業界はネットへの対応を失敗してみるも無残なことに。ショーン・パーカー(今30歳)がナップスターを立ち上げ「音楽をデジタルデータとしてネットを通じて共有する」という概念を普及させた結果、CCCD輸入権だの騒ぎが馬鹿らしくなるくらい、youtubeitmsが台頭した。今はパンドラやスポティファイなどの配信サービスが猛威を奮っている。ボクは7月末にスポティファイを知ったのだけど、これはぶっちゃけ凄過ぎる。定額料(16ドル)払うか、数曲おきの広告挿入を我慢(無料版)すれば、800万曲がいつでもどこでも(iphoneと回線があれば)聞ける。映像業界もフールーやアップル・グーグルTVをはじめとしてネットをインフラとして利用したサービスが今後充実してくるのはほぼ確実。国内では既にアクトビラNHKオンデマンドが動いてたりするけど、今一万個くらい認知されてない。(てか80%の資産もってて人口も多い日本の50代以降のネット知識のなさは異常。あと何年で変わるんだろ。)
 角川氏の提言については、クラウド時代と〈クール革命〉(グーグルブックスで全部よめる)や講演等で繰り返し言ってるし、はてなでもその都度ブクマがついてるので、勘の良いクリエイターや業界人は全員読んでるものとしていたけど、ノイタミナの話を聞く限り、それは気のせいだったぽい。宣伝↓
Togetter - まとめ「角川歴彦「ネットとマスメディア 2014年にどうなるか」」
Togetter - まとめ 角川グループ会長 角川歴彦さんの講演「クラウド時代と<クール革命>」まとめby津田大介
 読んでない人向けに簡単に言うと、技術の進み具合から、近い将来ipadのような端末でコンテンツを利用するようになるのは明らかで、情報はクラウドに移行し、好きなときに自在に聞いたり観たり読んだりできるようになる。流通や消費の形態は変化し、そこから新しいコンテンツも生まれてく。で、そういう21世紀型ネットワーク社会を実現するためにクラウドコンピューティングを官庁横断しての国家プロジェクトにするべき。東雲という名前でどう?ちなみにこのインフラはコンテンツに限らず、教育医療その他諸々、社会の在り方を大きく変える存在になりますよ、といった感じ。とても壮大。

 場所が整備されればあとはコンテンツ勝負なのだから、優れたものを作ってる人には確実に評価がいくようになるはず。理想のサービスは前書いたけど、一回利用するごとに少額(1〜10円)課金。ネットを通じてコンテンツを利用する場合には確実に負担。これはシステムを作るのはめちゃ大変でも、一度できてしまえば半永久。さらに世界中で金が動く。「中国のアニメ視聴者から1円とることができればドエラいことになる」とクランチロールの人も言ってた。

 ちなみに「映像音声画像何でもデジタル化→クラウドつっこむ→配信可能」という概念の最強の敵が図書館。図書館が今のルールのまま本気だしたら、全部とぶ。今後どう折り合いをつけるのか関心がある。(最近菊地成孔が、闘争のエチカなる大全集をUSBメモリ4G×2でだしていた。確か2万くらい。内容からしたらスゲー安い。当然うpされるリスクがある。図書館で借りてうp→拡散とかになったら目も当てられない。早稲田の図書館は議論のあげくリクエストを断っていた。)

 アニメの話に戻ると、アニメも音楽と同様、(一度放映されれば直ちに)ネットにアップされている。(主力サイトは07年ニコ動、08年veoh、パラステ、09年〜saymove)おまけにネットではコメント機能があるから、テレビでみるより面白い。それが「タイトル 動画」で検索したら一瞬で辿りつけてしまう状況にある。知らない人、利用してない人も勿論相当数いるだろうけど……ここで言いたいのは、現在、想像以上に多くの人がアニメを見ているのに、ほとんど対価を支払われていないてこと。んで、これがいきなり4話で8000円とか言われたら無理あるけど4話で100円なら払う人多いんじゃないのと。中国の友人(二人)もほぼリアルタイムにネットを通じて日本のアニメを見てたりする。韓国のマジコンユーザーがぱないのも基本原理は一緒。旧来のシステムに限界がきてる。ニコ動はそういうの理解してスゲー頑張ってる。

 最後に。今日もやられやくは、もはや無視できない存在。普通にすごい。いわゆるCGM

1.ネットの生み出したリズムは、これまでのを劇的に変えた
2.かつてアニメ作品の情報発信はもっぱらTVや出版によって制御されてきた
3.しかし、ネット出現以降、放映日と放映日の間ににも無数の発信(噂話、作品評、二次創作)が存在し、情報が氾濫している  (以前の日記より)

 やっていることは2chのコピペ(笑)とはいえ、考えてみればニュー速、vipのまとめサイトがあれだけ日本では人気(面白いよね)なのだから、アニメ実況、アニメ板でも盛り上がるに決まっている。それを二年かけて証明し磁場を発生させた功績は大きい。皆の反応をみることによって、作品も一層面白くなる。冗談抜きで文化を育てている。アフィリエイトもないし、どっかの企業が仕事としてやってんの?とも。それくらいの完成度(更新頻度)。集英社あたりはそろそろ週刊少年漫画板を中心とした、やられやくみたいなのを作るべき。業界のために。(TEDのように)各国の言語に切り替えることができればなおよし。そう、TEDはマジ神企画(これぞネットの可能性)なので、オススメ。
イーサン・ザッカーマン:グローバル・ボイスに耳を傾ける
TED
各国のボランティアがガシガシ訳してる。