冨樫とエミネムを応援する日記

ほぼHUNTERXHUNTERの感想

 文フリでゼロアカー

11/9(日)に文学フリマが開催されます。場所は秋葉原
文学フリマ - 文学フリマ公式サイト-お知らせ
今回はゼロアカ道場というイベントもあって、友人知人たちが本を売っているので、時間がある人は是非!詳細はこちら↓
「東浩紀のゼロアカ道場」第4回関門同人誌まとめ - noir_kかくかたりき改めnoir_kはこう言った
ボクも最終批評神話にコラムを寄稿してます。表紙・内容はこんな感じで気合い入りまくりです。

巻頭言「序文・最終批評神話とは何か」

わかむらPインタビュー「終わりなきニコマスの世界」

峰尾俊彦「ニコマス入門のための四つのことば」

濱野智史「MTVとMADについて――《神話》的映像作家たちに関するいくつかの注釈」

元長柾木インタビュー「法・倫理・社会を超えて」

論文パート序文「か何はと話神評批終最・序再」

村上裕一「逆接の倫理――『Fate/stay night』再考」

kk「菊地成孔のススメ」

転叫院「いまだスター・システムは徘徊しているのか」

野々宮馨「なぜ二人では愛を完成させられないのか」

 わかむらP、元長柾木と分かる人には分かる偉大な方々のロングインタビューをはじめ次世代の批評家、峰尾俊彦の初の批評本です。会場限定500部とのことなので、10年後にはプレミアがついてるかもしれません。よろしくお願いします。


以下はゼロアカウォッチャーとしていくつか↓
 まずは、一昨日のust、適当ですみませんでした。東オブピストン(このMADはマジすごい。真の批評家になるにはMADつくられなきゃいけないんだ!)を流さなかったコトも謝ります(笑)

 IRCちゃんと見てなかったorz(ミネオは見すぎw)急な企画だったので(当日昼にできる?と聞かれて、それから放送方法ぐぐったりマイク買いに行ったり鍋つくったり…)内容の準備一切なし、あるのはミネオのやる気のみ!だったけど、結果的に彼のセンスも時々でていたし、東さんや元長さんも降臨したりで、やったこと自体を評価したい。

 約70人、一昨日の放送をリアルタイムで見ていてくれた。村上峰尾ペア(ゼロアカ)の集客力に改めて驚くと同時に、録画していなかったこともあって、まさしく70人だけのお祭、悪く言えば内輪ネタ乙で終わってるなぁという思いがある。

 すごく大雑把な話をすると、センター試験を毎年50万人受けている。「文学部」がいくら縮小傾向にあろうとも、その1/10は「文学部」に類するものに行くはず。すると、一学年5万×4で20万人の現役文学部生、すなわち1年中文学を勉強する時間がある人が日本にいる。ちなみに国内最大の文学同人誌即売会である文学フリマの一般来場者数は約1千人。

 ゼロアカ道場優勝者は講談社BOXから初版一万部デビューが約束されている。凄い部数ではあるが、現役文学部生(暇人)が20万人(仮)いて、その卒業生たるや膨大な数がいる世の中では、そこまで不思議には思わない。

純文学の月刊誌の実売部数は3000部から5000部である。この媒体の書き手が想定している読者は編集者と同業者と、将来編集者か作家か批評家になりたいと思っている諸君だけである。
そのような身内相手の「内輪の符丁」で書くことに批評家たちはあまりに慣れすぎてはいないか。

井上雄彦は一頁描くごとに、彼の新作を待ち焦がれている世界各国、言語も宗教も政体も風俗も異なる数億の読者を想定しなければならない。
世界各国の読者を想定して創作し、現に世界各国の読者に待望されている作家を私たちの社会はすでに多数生み出している(鳥山明大友克洋宮崎駿押井守も)そうだ。
そのような世界的な作家が何を考え、どのような技術を練磨しているのか、それを批評家たちは想像できるのだろうか。

byノーベル文学賞の日 (内田樹の研究室)
 僕はそもそも批評という行為が、本来そこまで遠いものだとは思ってない。それは、ワンピースを読むことが好きだけど、友達とその話題で話すことも好き、というレベルの話で、ある作品に対する優れた解釈を聞くことは基本的に楽しいことだからだ。

 その会話がハイレベルになってくると、参入障壁が高くなると同時に仲間内での快楽が増してくる。とりあえず現在の「批評」の入口が高いところにあるのは「純文学の月刊誌の実売部数は3000部から5000部」をみれば明らかだ。

「ついてこれる人だけついてこれば良い。そういう人でしかたどり着けない境地がある。」はアカデミズムに任せて、批評はその高度な概念を上手に運用して「普通の人」に届けるべきだと考える。まず届かないことには心を動かしようがない。形式と内容は不可分だから、一定レベル以上のコトを伝えるには難解な表現を採らざるをえない。それでもなるべく平易な言葉で複雑なモノを扱おうとしていたのが東浩紀に他ならない。僕はゲーラボ連載から入ったクチなので、そこの所は特に感謝している。

 文学フリマについても、大学一年の夏までは存在を知らなかった。何でもそうだけど「一度何かを知ると、それが当たり前の状態になって、こんなことも知らない人はいないんじゃないか(いるとすれば相当のアホ)」という感覚になってしまいやすい。それは気軽に検索できるようになったネット社会では益々加速しているかもしれない。でも、それなりに関心がないとググることすらしない。(ゲーラボであずまんの連載読んでても、ぐぐらなかった。改造コードはぐぐってた。)だからこそ、自分にとって当然のことでも、他人に対して何度も言う必要がでてくる。それは退屈・自分が馬鹿に思えてくる・やりすぎると「またか」と思われる…の三重苦だけど、人生はその繰り返し(笑)いや、ここで言いたいのは宣伝マジ重要!!大半の人は文フリ知らないよ!ということなんだけど。

 今回、最終批評神話で特に注目されるべきは、わかむらPだと思っていて「ニコニコ動画」という媒体を真面目に語るのと同時に、ニコマス層を批評層に引っ張ってきてこっちも面白いじゃないかと思わせることができたら、それはゼロアカの結果とは関係なしに彼らの勝ちだ。ちなみに僕のコラムは、初心者向けに書かれたものなので、そういう新しい人や高校〜大学二年生に読んでもらいたい。そんで菊地成孔を知ってもらいたい。ラジオ面白いから、ホント!(笑)
(売られる直前になんだけど、ガチな論考を書かずに逃げてしまった側面も大きいので実はとても反省している。せっかくラジオ全部持ってるんだからそれについて述べるか、憂鬱と官能〜服は何故音楽を〜までの全レビューをするとか、気合いを入れるべきだった。)

 あ、わかむらPって誰?な人もいるだろうから、コレ貼っときますね↓

 元長柾木はどなた?という人に対しては未来にキスをやれとは言わないので、こちらをどうぞ。

荻浦嬢瑠璃は敗北しない

荻浦嬢瑠璃は敗北しない

 村上峰尾ペアの仕事によって、少しでもこれらの作品に触れる人が増えたり、違った味わい方をする人がでてきたら万々歳。「雑誌で扱ってる作品・人、全部わかりません。君らの世界狭すぎ。」という気持ちは分からなくもない(ギャルゲー多すぎw)けど、一度にできるものは限られているんですよ、と

 最後に他のゼロアカチームについて、少しだけ言うと筑波批評社が僕はとても好きで、楽しそうにやってる姿勢が何より良い。メンバーでは特にid:sakstyle id:klov id:Muichkine のバランス感覚が非常に優れている。これは自分に近いから、というのもあるかもしれないけど、それだけじゃない。

 あとはproject1980の、やずややずやさんを個人的に尊敬しているので、応援。現時点での総合力はどうみても一番高い。

 形而上学女郎館の雑賀さんも、講談社BOX的には一番有りな文章を書いている。真面目な話、2015年に「批評家」としてゼロアカから誰か活躍しているか?と問われたら、直球ではミネオ、変化球では雑賀さん、と答える。変化球というのは、従来にはない新しい読者を掴んでるということ。もちろんこれは「批評家」に限っての話であって、他の人達が各分野で活躍しているであろうことは言うまでもない。てか、ミネオは現時点での事務処理能力がアレすぎるので、手に職系の方が向いているのは間違いない(笑)ちょっとつきぬけてるからな。